約数を見つけるには整数で割っていく
大ざっぱにいうと、●の約数とは、●を割り切る整数のことです。
どういうことでしょうか。
じっくり解説していきます。
まずは、8を整数で割っていきましょう。
具体的には、8を「÷1」「÷2」「÷3」「÷4」…「÷8」「÷9」「÷10」と整数で割っていきます。
すると、つぎのようになりますよね。
・8÷1
・8÷2
・8÷3
・8÷4
・8÷5
・8÷6
・8÷7
・8÷8
・8÷9
・8÷10
これらを実際に計算すると、つぎのようになります。
・8÷1=8
・8÷2=4
・8÷3 → 割り切れない
・8÷4=2
・8÷5 → 割り切れない
・8÷6 → 割り切れない
・8÷7 → 割り切れない
・8÷8=1
・8÷9 → 割り切れない
・8÷10 → 割り切れない
「÷1」「÷2」「÷4」「÷8」のときだけ、割り切れます。
8を整数で割ったもののうち、割り切れる数はすべて「8の約数」といいます。というわけで、8の約数は1、2、4、8です。
約数とは何なのか、なんとなくわかっていただけたのではないでしょうか。
では、例題を解いてみましょう。
(問)6の約数を求めてください。
まずは、6を「÷1」「÷2」「÷3」「÷4」…「÷6」「÷7」「÷8」と整数で割っていきます。
つぎのようになりますね。
・6÷1=6
・6÷2=3
・6÷3=2
・6÷4 → 割り切れない
・6÷5 → 割り切れない
・6÷6=1
・6÷7 → 割り切れない
・6÷8 → 割り切れない
「÷1」「÷2」「÷3」「÷6」のときだけ、割り切れます。
6を整数で割ったもののうち、割り切れる数はすべて「6の約数」というので、6の約数は1、2、3、6です。
このように、●の約数を見つけるには、●を「÷1」「÷2」「÷3」「÷4」…と順に割っていきます。
ただ、これだと効率が悪いので、すこし工夫をしましょう。
どのように工夫すればいいのでしょうか。
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●の約数を求めるには、●よりも大きな数で割る必要はない!
結論から書くと、●の約数を求めるには、「割り切れる」必要があるので、●よりも大きな数で割る必要はありません。
どういうことでしょうか。
じっくり解説します。
(問)4の約数を求めてください。
4を1から順に割っていっていくと、つぎのようになりますよね。
・4÷1=4
・4÷2=2
・4÷3 → 割り切れない
・4÷4=1
・4÷5 → 割り切れない
・4÷6 → 割り切れない
・4÷7 → 割り切れない
・4÷8 → 割り切れない
・4÷9 → 割り切れない
・4÷10 → 割り切れない
・4÷11 → 割り切れない
ここで注目していただきたいのは、「÷5」以降です。
4より大きい整数だと、かならず「割り切れない」となっていますよね。
つまり、4の約数を探すとき、4より大きな数で割っても意味がありません。
これで「●の約数を求めるには、●よりも大きな数で割る必要はありません」の意味がわかったのではないでしょうか。
これ以外にも、約数を探すスピードをすこしだけはやくするコツがあります。
ちなみに、問の答えは「1、2、4」です。
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「法則」を見つけよう! すると、約数を見つけるスピードがすこしアップ!
(問)16の約数を求めてください。
約数を求めるには、16を1から16の整数で割っていけばいいのですね(割り切れたものが16の約数です)。
・16÷1=16
・16÷2=8
・16÷3 → 割り切れない
・16÷4=4
・16÷5 → 割り切れない
・16÷6 → 割り切れない
・16÷7 → 割り切れない
・16÷8=2
・16÷9 → 割り切れない
・16÷10 → 割り切れない
・16÷11 → 割り切れない
・16÷12 → 割り切れない
・16÷13 → 割り切れない
・16÷14 → 割り切れない
・16÷15 → 割り切れない
・16÷16=1
よって、答えは「1、2、4、8、16」です。
さて、ここで「割り切れたもの」だけを抜き出してみます。
・16÷1=16
・16÷2=8
・16÷4=4
・16÷8=2
・16÷16=1
順番をかえてみます。
・16÷1=16
・16÷16=1
・16÷2=8
・16÷8=2
・16÷4=4
ここで「法則」があることに気がつくのではないでしょうか。
・16÷1=16
・16÷16=1
→1で割れたら、16でも割れる
・16÷2=8
・16÷8=2
→2で割れたら、8でも割れる
・16÷4=4
→(あえて法則を書くなら)4で割れたら、4でも割れる
よって、16を1から順に割っていかなくても、つぎのように考えることができます。
・16÷1=16
→1と16で割れるので、約数は1、16
・16÷2=8
→2と8で割れるので、約数は2、8
・16÷3 → 割り切れない
・16÷4=4
→4と4で割れるので、約数は4
・16÷5 → 割り切れない
・16÷6 → 割り切れない
・16÷7 → 割り切れない
・16÷8=2
→先ほどと同じ。約数が出そろったので、これから先を計算する必要はない!
労力が半分で済むわけですね。