無味乾燥の暗記方法は子どもによくない!
子どもに「1、2、3、4…」と、何度も何度も数をかぞえさせていると、そのうち数のかぞえかたを覚えます。
しかし、もし、あなたがこれをしないといけないなら、どう思いますか?
眠くなるのではないでしょうか。
ひょっとして「数はなんか嫌い」と思うようになるかもしれません。
子どもも同じです。
このような無味乾燥の覚え方だと、退屈で、なかには数に対して苦手意識をもつ子どももでてきます。
それだけではありません。
本当に必要なものは「では、12の2つ前の数字は?」のような、ひねった質問にも答えられる「完成度の高さ」です。
無味乾燥の暗記法だと、すこしひねった質問に答えられなくなる子どもでてきます。
それは、たとえ「歌」にしても同じです。
退屈さは多少紛らわせることはできますが、ひねった質問には答えられない子どもがでてきます。
なぜなら、本質は同じだからです。
では、どのようにして覚えさせればいいのでしょうか。
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まずは、生活のなかで「楽しく」数をかぞえさせる
「今日のおやつはミカン! ×ちゃんはいくつ食べる?」
「今日のおやつは、こんぺいとう。かぞえられた数だけ、あげるよ」
そういいながら、ミカンやこんぺいとうを1つずつ数をかぞえながらーブルに置いていく――。
このような感じで、まずは、生活のなかで「数をかぞえる機会」をつくるといいでしょう。
この際、子どもが喜ぶツボをおさえると、より効果があります(食いしん坊な子どもには「甘いもの」で釣って数えさせるという感じです)。
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ビー玉遊びやおはじきで、数をかぞえるだけではなく、将来の土台を築く!
ある程度、数をかぞえられるようになれば、ビー玉やおはじきを使って遊びましょう。
遊びのルールは独自のもので構いませんが、つぎの2つの要素はいれるようにしましょう。
・ビー玉の数をかぞえる
・ビー玉を袋に均等に分ける
一例をあげると、つぎのようなゲームです。
【ゲーム1】ビー玉を当てると、ビー玉をゲット!どっちがたくさんのビー玉をゲットできる?(かぞえる)
・ビー玉を地面にいくつか置いておく。
・そこからすこし離れたところに線をひく
・親と子ども、それぞれ袋を1枚ずつ、ビー玉を1個ずつ持つ。
・「子ども→親」の順で線から手持ちのビー玉を転がしていって、地面に置いてあるビー玉に当てる。
・当たったビー玉はすべて、ビー玉を当てたひとのもの。そのひとの袋にいれる。
・地面に置いてあるビー玉がなくなれば、いくつビー玉をゲットできたのか、袋にあるビー玉の数をかぞえていく(この際、運動会の玉入れのように、同時に「1個、2個…」と数えていくといいでしょう)。
・ビー玉を多くゲットできたほうが勝者!
まだ子どもは幼いので、このくらいの遊びでも楽しむと思います。
この遊びをしているうちに、「数のかぞえかた」を覚えていきますし、覚えなくても「数は楽しい」と思うようになります。
ほかにも、つぎのようなゲームがあります。
上記の遊びで、数のかぞえかたを完全に覚えたあとにこのゲームをするといいでしょう。
【ゲーム】ビー玉でボーリングだ!(袋に均等に分ける)
・袋を2つ用意する。
・ビー玉を最初は4個、地面のうえに置く。
・「(地面にあるビー玉を))2人が同じ数になるように分けて」とビー玉を袋に分けさせる
・地面に100均のボーリングのピンを置く。すこし離れたところに線をひく
・それぞれ袋をもって、袋のなかにあるビー玉だけピンめがけて転がして、ピンを多く転がしたほうが勝ち
これで「ビー玉を袋に分ける」ことが身につきます。
なお、ビー玉で遊ぶとき、子どもが楽しいと思わないと効果は少なくなります。親が楽しむと子どもも楽しむものなので、できるだけハイテンションで遊ぶといいでしょう。
子どもが好きな芸人は、たいてい、ハイテンションですよね。ハイテンションなだけで、子どもは喜んで笑うので、遊ぶときはとくかくハイテンションで!
ビー玉遊びをしていれば、将来、四則演算で困らない!
これらのことがどのように役立つのでしょうか。
まず、ビー玉遊びをしていると、子どもは「数をかぞえられるようにならないと遊べない→数のかぞえかたを覚えたい」になるので、「1、2、3…」などと言わせる無味乾燥の暗記法でも数のかぞえかたを覚えるようになります。
それと以下です。
・ビー玉遊び自体……かけ算やわり算を教えるとき、ビー玉を比喩として使えます。
・ビー玉の数をかぞえる……「1から数字をかぞえていく」練習になります。
・ビー玉を均等に分けて袋にいれる……わり算の土台になります。
・袋にはいったビー玉を持っている……かけ算を教えるとき、袋にはいったビー玉を比喩として使えます。
実生活で体験しているので、「10を2で割るといくつになる?」の説明をかんたんに理解できるようになるわけですね。
ちなみに、当サイトでは、算数を教える際、比喩でビー玉を使っています。また、わたしの中学数学の著書では似たような比喩を使っています。
「親」だからこそできる「生きた」勉強法!
実は、今までに紹介した「生活のなかで数をかぞえよう」「ビー玉やおはじき遊びを通じて、数をかぞえよう」は、全体授業ではなかなかできません。
親だからこそ、できる教えかたです。
どういうことでしょうか。
まずは、「生活のなかで数をかぞえさせる」ですが、仮に幼稚園で先生がこんぺいとうを持ってきて、「みんな! 今日は、これを数えよう!」といったところで、学習の効果が低そうなのはわかると思います。
・数をかぞえない子どももいる。
・数をかぞえられない子どももいる。
・数をかぞえられて、退屈だな、と思う子どももいる。
親にしかできない教えかたです。
つぎに、「ビー玉やおはじき遊び」ですが、そもそも、これらの遊びは、20人、30人で、できる遊びではありません。少人数でしか遊べません。
仮に20人いるクラスでビー玉遊びをしたら、つぎのようになります。
・みんなに「ビー玉を均等に分けて」といったところで、うまく分けられない。かといって、ひとりずつ指導するのはかなり非効率。
・2人1組にして、ビー玉を均等に分けさせても、同じ。
多くても「先生1人に対して子ども4人」くらいでしょうか。
というわけで、「親」だからこそできる「生きた」勉強法なわけですね。
ビー玉遊びなどを通して、「数」に興味をもたせつつ、覚えさせましょう!